50代の沼田繭子さん(仮名)は、関節リウマチに加え、間質性肺炎や大腿骨頭壊死(手術施行)、間質性肺炎、糖尿病など複数の病気と向き合いながら生活されていました。
その中でも、糖尿病は、食事管理や体重管理、血糖コントロールが重要とされる病気でもあり、日々の食生活が体調に影響しやすい側面があります。
沼田さんは、それまでご自身でぬか漬けやピクルスを作ることも多く、振り返ると塩分を摂り過ぎていたかもしれないと感じたことから、食生活の中で「塩分」を意識するようになります。
その際、無理なく続けられる方法として選ばれたのが、宅配食サービス「nosh(ナッシュ)」でした。
noshを選ばれた理由としては、
・毎食の塩分量を細かく考えなくて済んだこと
・一人暮らしでも食事管理がしやすかったこと
・献立を考える負担が減ったこと
・調理の手間が少なく、体調に左右されにくかったこと
といった点があり、結果として「続けやすい食生活」につながっていたとも捉えられます。
食生活の工夫を続けるなかで、沼田さんの体重は約7kg減少しています。
この経過を見ると、体重の変化だけでは説明できない背景がみえてきます。
ここでは、体重変化の背景について、理学療法士の視点から整理してみます。
股関節の痛みと生活動作の変化
沼田さんは関節リウマチのほか、大腿骨頭壊死なども経験されています。
一時は股関節の強い痛みや体力低下によって、自宅内でも車椅子を使用する時間が増えていました。
料理や買い物も思うようにできない時期が続きましたが、手術(人工骨頭全置換術)を受け、訪問サービス(リハビリ、看護)を継続する中で、以下のような生活の様子にも変化がみられるようになりました。
・股関節痛が軽減し、屋内を歩いて移動する機会が増えた
・台所に立つ、買い物へ出掛けるといった家事動作が再開した
・お孫さんの世話や長時間の外出を楽しめるようになった
これに伴い、日常生活で身体を動かす機会も増えていきました。
約7kgの体重減少は、このような身体機能や生活の変化がみられた時期とも重なっています。
体重の推移に関わったと考えられる4つの要素
一つの転機となったのが、手術による股関節痛の軽減でした。
痛みが和らいだことで、それまで避けていた動作を少しずつ再開できるようになり、自宅内の移動や家事、外出の機会も増えていきました。
股関節の手術後、どんどん日常生活で身体を動かす時間が増えていました。
料理や掃除、買い物、お孫さんのお世話など、生活の中で身体を動かす時間が増えると、消費エネルギーに影響すると考えられます。
特別な運動ではなく、日々の生活そのものが以前より活動的になっていたことも、体重の推移に関わった可能性があります。
沼田さんご自身が最も大きな取り組みとして話されていたのが、塩分を意識した食生活でした。
一般的に、塩分を多く摂ると体内に水分をため込みやすくなることが知られています。
また、関節リウマチで使用されるステロイドでは、副作用として浮腫(むくみ)がみられることもあります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、食塩摂取量の目標量が示されており、減塩は健康管理の基本の一つとされています。
一方で、体重は水分だけでなく、筋肉量や脂肪量、身体活動量など複数の要素によって変化します。そのため、今回の約7kgの減少を塩分だけで説明することはできません。
減塩を意識したことが、食事全体を見直すきっかけになった可能性もあります。
沼田さんが利用したnoshは、全メニューを糖質30g以下、塩分2.5g以下という基準で提供しています。
また、一般的に、たんぱく質を十分に摂る食事は満腹感が持続しやすく、間食を減らしやすい可能性が報告されています。
(ただし、今回の体重減少において、こうした要素がどの程度影響したかについては断定することはできません)
7kgの体重減少で身体に起こりうる変化
体重が約7kg減少すると、身体への負担にも変化が生じる可能性があります。
特に下肢関節では、体重が減ることで関節にかかる負荷が軽減されることが知られています。
例えば、歩行時には体重の数倍の力が膝や股関節にかかるとされており、体重減少はこれらの関節への負担軽減につながる可能性があります。
その結果として、
・階段の昇り降りが楽になる
・立ち上がり動作がしやすくなる
・股関節や膝関節の負担が軽減される
といった変化がみられることもあります。
関節リウマチと体重変化について
関節リウマチでは、病状や治療内容によって体重が減少する方もいれば、ステロイド治療などの影響で体重が増加する方もいます。
そのため、今回の約7kgの体重減少を、関節リウマチの経過として一般化することはできません。
また、理学療法士としては、「noshを食べたから痩せた」と考えるのではなく、「食生活全体が整うきっかけになった可能性」と考える方が、今回の経過を説明しやすいと感じています。
沼田さんは、体重減少に加えて、痛みが軽減し、活動量が増え、食生活を見直すことができたという一連の経過を合わせて考えることが重要だと感じます。
一方で、約7kg体重が減った、というシンプルな数字の変化は大変分かりやすく、大きな自信と努力の継続に繋がり得ます。
沼田さんも、自分の意思で体重を減らすことができた、ということ自体が「励みになった」とおっしゃっています。
まとめ
沼田さんは、塩分を意識した食生活を始めた後、約7kgの体重減少を経験されました。
その頃には、
・股関節痛の軽減
・リハビリによる身体機能の回復
・日常生活での活動量の増加
・塩分を意識した食生活
・食事内容の見直し
といった出来事が重なっていました。
今回の約7kgという体重減少は、食生活だけではなく、痛みの軽減やリハビリ、日々の活動など、複数の要素が重なった時期にみられています。
食事を整え、痛みが軽くなり、歩ける距離が伸び、家事や外出を再び楽しめるようになった。その積み重ねが、「生活を取り戻す」という、このシリーズで伝えてきたテーマにつながっていたのだと感じます。
参考文献
・Leidy HJ, et al. The role of protein in weight loss and maintenance. Am J Clin Nutr. 2015.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25926512/
・Messier SP, et al. Weight loss reduces knee-joint loads in overweight and obese older adults. Arthritis Rheum. 2005.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15986358/
・厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
・nosh(ナッシュ)公式
https://nosh.jp/
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