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※これは実際にあった話ですが、筆者が関わる機会があった娘さん側の事実・言い分を元に書いています。
親が認知症を発症したあと、家族ではない人物が任意後見人となり、気づいたときには、親の生活も財産も“他人の手”にあった——。
「親の介護に関わりたくない」と思っていた娘が、本当に何も言えなくなっていたという現実。
その背景には、「任意後見制度」という仕組みの落とし穴がありました。
A子さん(仮名)の母は、70代。長年信仰を共にしていた宗教団体の仲間と親しくしており、軽度の認知症が出始めた頃から、その女性が生活支援をするようになりました。
- 外食や旅行
- 宗教の集まりへの送迎
- 食事の準備、服薬の管理
- 通院の付き添いや、福祉制度の手続き
- 介護サービスとの連絡や情報管理
母は「○○さんはなんでもやってくれるの」とすっかり心を許していました。
しばらくしてA子さんが帰省し、母の生活状況を確認しようとしたところ、その女性が母の「任意後見人」になっていたことが発覚します。
しかも契約は、母の認知症がまだ軽度だった頃に”母の希望“として結ばれており、
すでに家庭裁判所によって「任意後見監督人」も選任され、契約が発効済みでした。
「まさか後見人の名前を見て、“誰これ?”ってなるとは思っていませんでした」
任意後見契約は、本人が元気なうちに、誰とでも結ぶことができます。
家族以外との契約も有効で、親族に通知する義務はありません。
そして、契約が発効したあと(=任意後見監督人が選任された後)は、家族であっても一方的に契約を取り消すことはほぼ不可能です。
A子さんの母も、任意後見人となった宗教仲間の女性が、ATMからの現金引き出し・日常の生活費管理などを自由に行っている状態でした。
さらに問題なのは、任意後見人が契約内容によっては親の不動産を売却できる可能性があることです。
ただし、以下の条件があります:
- 任意後見契約に「不動産の処分権限」が明記されていること
- 本人が居住する家・マンションを売却するには、家庭裁判所の許可が必須(民法第859条の3)
幸い、A子さんの母は現在も自宅マンションに居住しており、不動産の売却はまだ手がつけられていません。
「もし家を売られていたらと思うと、心底ゾッとします。でも、母がそこに住んでいたからこそ、かろうじて止まっているだけなんです」
A子さん自身、「親の介護に関わりたくない」と思っていた時期がありました。
しかし、「何もできなかった」という現実の重みは、それ以上だったと語ります。
「制度をちゃんと知っていれば、違った選択ができたかもしれない。
制度があることは知ってたのに、“他人に使われる危険”までは考えていなかったんです」
任意後見制度は、本人を守る制度ですが、契約内容によっては、家族が介入できなくなるリスクもあります。
そして、認知症が進行すると「本人の意思能力が失われた」と判断され、次のような“資産凍結”の状態になることがあります:
- 銀行口座の出金・定期預金の解約ができない
- 自宅の売却や資産の移動ができない
- 保険や証券の解約も不可になる
介護費や医療費、生活費を“家族が建て替える”しかない状況になることも。
だからこそ、「家族信託」という仕組みも知っておきたい
最近注目されているのが、「家族信託」という新しい制度です。
親が元気なうちに、信頼できる家族を“受託者”として任せておくことで、将来の資産凍結を防ぎ、柔軟に財産を管理できるようになります。
- 認知症になる前に契約することで、家族が動けるように
- 任意後見より裁判所の関与が少なく、実務的に機能しやすい
- 資産管理と介護支援を両立しやすい制度設計が可能です
「おやとこ」は、家族信託の契約件数No.1の実績を持つ法律事務所です。
全国7拠点、年間数千件の相談に対応。
高齢の親をもつご家族(40〜60代)からの信頼も厚く、相続・後見・信託・介護・資産管理に関する包括的な提案を行っています。
- 司法書士など専門家による無料相談
- 家族の状況に応じた制度設計とリスク回避のアドバイス
- 「判断できるうちに相談する」ための導線が整っている
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- 後見制度は、正しく使えば力になる
- でも、間違った相手・タイミング・契約方法では、取り返しのつかないことになる
- 「介護したくない」と思っていても、制度だけは知っておいてほしい
大切なのは、少しでも早く、正しい味方とつながること。
それが、親の生活と家族の未来を守る一歩になるはずです。

【参考資料】