ダイエットで「体質だから痩せない」は本当?太りやすさの正体を解説

「私は太りやすい体質だから、ダイエットしても無理かもしれない」

そう感じたことはありませんか。

太めのPT
太めのPT

私もそう思ってました。

若い頃は少し食事を減らすだけで体重が戻ったのに、今は同じようにしても変わらない。

周りに、何を食べても太らない人がいるように見えて、自分だけ体質が違うのではと思ってしまう。

たしかに、体の個人差はあります。

ただ、「体質」という言葉には、生まれつきの特徴、年齢による変化、生活の変化、病気の影響など、いくつもの意味が混ざっています。

そのため、「体質だから仕方ない」と諦めてしまうと、本当は違う理由が隠れていても気づきにくくなることがあります。

この記事では、ダイエットと体質の関係について、科学的にわかっていることを整理します。

そもそも「体質」とは何を指している?

日常会話でいう「体質」は、とても幅の広い言葉です。

生まれつきの違い(遺伝)

親子で体型が似ることは珍しくありません。

食欲を感じやすさ、満腹感の感じ方、脂肪をため込みやすさなどには、生まれつきの違いが関係すると考えられています。

実際、肥満に関する研究では、食欲の調節に関わる遺伝的な個人差が体重に影響する可能性が示されています(Loos & Yeo, 2022)。

ただし、遺伝=抗えない運命、ではありません。

遺伝は、確かに「なりやすさの傾向」ではありますが、それだけで結果が決まるものではないのです。

年齢による変化

「昔と同じように生活しているのに太る」

こう感じる方は多いのではないでしょうか。

年齢とともに、筋肉量やホルモンの変化、疲れやすさなど、体の条件が変わることがあります

若い頃と同じ方法が合わなくなることは不思議ではありません。

生活の変化

ここは意外と見落とされやすいところです。

本人は「昔と同じ生活」のつもりでも、実際には変わっていることがあります。

たとえば、

  • 長時間の通勤をしなくなった/外回りから内勤に変わった
  • 買い物をネット中心にした
  • 家事を短時間で済ませるようになった
  • 痛みや疲れで階段を避けるようになった

こうした普段意識しない変化の影響に気づかずに、自分では「疲れやすくなった」「体質のせい」と感じてしまうこともあります。

病気や薬の影響

体重変化の背景に、病気や治療が関係することもあります。

たとえば、

  • 甲状腺の病気
  • ホルモンに関わる変化
  • むくみを起こしやすい状態
  • 一部の薬の影響

などです。

太めのPT
太めのPT

私の場合は、病気になりステロイドを服用し始めたことで体重増加→安静にしていたことで生活が変化→気づいたら40代半ば、といったように、すべての要素が連鎖的に現れてきました。

「体質の変化で太った」と雑に決めつけず、体調変化のきっかけや順番、期間などの分析を丁寧に行うことが大切です。

「太りやすい体質」って本当にある?

こ結論からいうと、ある程度の個人差はあります。

研究では、体重や肥満のなりやすさには遺伝的な影響があることが示されています。

たとえば双子研究では、体格指数(BMI)の個人差に遺伝が関係する可能性が以前から示されており(Maes et al., 1997)、近年の大規模研究でも、肥満に関わる複数の遺伝的要因が報告されています(Loos & Yeo, 2022)。

ただし、

「遺伝の影響がある」=「何をしても変わらない」

ではありません。

同じ傾向があっても、

  • 生活環境
  • 睡眠
  • ストレス
  • 仕事
  • 日々の過ごし方

によって結果は変わります。

体質だけで体重が決まるわけではないのです。

年齢とともに痩せにくく感じる理由

筋肉量の変化

筋肉は、体を動かすために必要な組織です。

年齢とともに筋肉量が変化すると、日常生活での動き方にも少しずつ影響が出ることがあります。

「前より疲れやすい」
「階段を避けるようになった」

こうした変化は、体重のように数字になって自覚できない分、気づいたときにはだいぶ虚弱になってしまった後かもしれません。

生活の変化に気づきにくいこともある

前の段落でも少し触れましたが、ここは見落とされやすいところです。

「昔と同じ生活をしているつもり」でも、実際には生活の形が変わっていることがあります。

たとえば、

  • 通勤しなくなった
  • 買い物をネット中心にした
  • 家事をまとめて短時間で済ませるようになった
  • 痛みや疲れで階段を避けるようになった

こうした変化は、体重にも影響することがあります。

睡眠やストレス

睡眠不足や強いストレスが、体重変化に関係することもあります。

このテーマは別記事で詳しく解説します。

「体質改善で痩せる」は本当?

よく見かける言葉ですが、「体質改善」は医学的に明確な診断名ではなく、使い方には幅があります。

生活習慣を見直して体調の変化を感じることはあります。

一方で、

「これだけで体質が変わって劇的に痩せる」

という表現には慎重さが必要です。

こんな時は自己判断だけにしない

次のような変化がある場合は、ダイエットだけの問題ではないこともあります。

  • 急に体重が増えた
  • 強いむくみ
  • 動悸
  • 強い疲れ
  • 寒がりや暑がりの変化
  • 息切れ

気になる場合は、一般的には医療機関への相談が検討されます。

まとめ

「太りやすい体質」という個人差はあります。

ただし、それだけで全てが決まるわけではありません。

体質という言葉の中には、

  • 生まれつき
  • 年齢
  • 生活の変化
  • 体調

など、さまざまな意味が混ざっています。

だからこそ、

「私は体質だから無理」と決める前に、その言葉の中身を整理してみることが大切です。

参考文献

  • Loos RJF, Yeo GSH. The genetics of obesity: from discovery to biology.肥満の遺伝学:発見から生物学的メカニズムまで) Nat Rev Genet. 2022.
  • Maes HH, Neale MC, Eaves LJ. Genetic and environmental factors in relative body weight and human adiposity.体重および体脂肪の個人差に関わる遺伝要因と環境要因)Behav Genet. 1997.