※本記事は診断や治療を示すものではなく、生活を立て直す際の考え方を整理したものです。
この記事は、体調の悪化や強い疲労感などにより、仕事を休むほど生活がつらくなり、これまで通りの毎日を送れなくなっている方に向けて書いています。
「休んでいるのに回復しない」
「家のことが思うようにできない」
「焦る気持ちだけが強くなる」
そのような状態が続くと、気持ちの問題として片付けてしまい、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
けれどもこの段階では、一つの大きな原因があるというより、いくつかの小さな負担が重なって、生活全体を支える力が一時的に弱っている状態になっていることがあります。
ここでは、生活が崩れたあと、どの順番で整えていくと負担が少ないかを整理します。
この段階での目標は、元の生活に戻すことではありません。
生活がさらに不安定にならない形を保つことです。
体調が大きく落ちている時期は、回復に使える力が少なくなっています。
その状態で無理を重ねると、数日単位で動けなくなることがあります。
- 体調が不安定な日にまとめて家事をする
- 遅れを取り戻そうとして予定を詰める
- 以前と同じ量の活動を急に再開する
これらは良いことのように見えても、体にとっては負担になる場合があります。
生活が完全に止まると、さらに立て直しにくくなります。
そこで、これだけは続けるという細い線を残します。
- 朝、カーテンを開け陽を浴びる
- 何か一口でも朝ご飯を食べる
- 顔を洗う、歯を磨くなどの簡単な身支度
- 室内で少し体を動かす
ゼロの日を重ねないことが、この段階の役割です。
回復が進まないと、「自分は何が悪いのだろう」と考えがちです。
しかし多くの場合、いくつかの要素が重なっています。
- 活動量が減って体力が落ちている
- 睡眠が浅く、回復しにくい
- 食事が簡単になり、栄養が偏っている 等
ここで大切なのは、原因を断定することではなく、どの部分が弱っていそうかを見つめることです。
”何が悪いか”ではなく、“どこから整え直すと負担が少ないか(取りかかりやすいか)”という視点に切り替えます。
立て直しの初期は、大きな改善を狙って挫折するよりも無理なく継続できることが優先です。
これらはすぐに変化を感じにくいかもしれませんが、体が回復しやすい環境を整える土台になります。
改善のために新しい負担を足すよりも、回復を妨げている要素を減らすことを優先します。
「頑張る」=新しい負担を増やすことではありません。具体的には、
- 夜更かしを減らす
- 食事を抜く日を減らす
- 無理な予定を入れない
- 疲れている日に無理に動かない
といったようなことを優先する、という意味です。
ここまでのことを一人で続けるのが難しい、どうしてもバカバカしいと感じてしまう場合、生活の立て直しを一緒に進める支援を利用する方法もあります。
伴走型の支援とは、
- 今の体力や性格を分析しタスクを提案する専門家の目線
- 生活リズムを整えるための定期的な確認
- 無理な部部を補ってくれる家事サポート
といった、生活が回る状態に戻るまでの期間を支える仕組みです。
支援・サービスを使うことは、弱さではなく、生活を整えるための環境を用意するという選択です。
| 合いやすい人 | 合いにくい場合がある人 |
|---|---|
| 一人では生活改善が続かない | すでに自分のペースで整えられている |
| 体力が落ちて何から始めるか分からない | 他人と関わること自体が強い負担になる |
| 定期的に見守られると動きやすい | まず医療的対応が優先と感じている |
仕事を休むほど体調が落ちたあと、いったん気力が戻ってきたとしても、以前(若いころ)と同じ体力や生活リズムに戻そうとすると、結果的に同じ負担のかかり方に戻ってしまうことがあります。
生活に、完璧な形はありません。
大切なのは、今の体調や環境に合った、無理なく回る生活の形をつくり、それを続けていくことです。
ここでいう“続けられる”とは、
自分の状態に合わせて原因を見直しながら、負担にならない量とタイミングで日々の生活を整えていける、という意味です。
体がしんどく、仕事を休むほど生活がつらいときは、
- これ以上崩れない形を保つ
- 原因を一つに決めず見立てる
- 必要に応じて伴走支援を使う
- 今の状態で回る生活を目指す
この順番を意識することで、無理を重ねずに立て直しやすくなります。
生活は急に元通りにしなくて構いません。
まずは、回復しやすい状態を整えることが助けになります。
この記事では、生活の不調を性格や努力の問題ではなく、生活全体のバランスの問題として捉えています。
この見方は、WHOのICF(国際生活機能分類)の考え方を参考にしています。
▶ 厚生労働省:国際生活機能分類(ICF)の紹介
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html
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