4 Unique Stepshttps://4-unique-steps.com個性が強い人の身体・生活づくり実例集Fri, 23 May 2025 00:25:18 +0000jahourly1https://4-unique-steps.com/wp-content/uploads/2023/12/cropped-120c061b-b489-47e8-858a-50babbffb847-32x32.jpg4 Unique Stepshttps://4-unique-steps.com3232 筋膜リリースって、ほんとうに「筋膜を剥がしてる」の?https://4-unique-steps.com/fascia-release-science/Thu, 22 May 2025 23:35:25 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1477

──イメージと現実、科学で読み解く“リリース”の正体 『筋膜リリース』というリハビリテーションの方法が、非常に効果的であることは今では疑う余地はありません。 ところが、「筋膜リリース」という言葉を聞くと、「筋膜がくっつい ... ]]>

──イメージと現実、科学で読み解く“リリース”の正体

はじめに

『筋膜リリース』というリハビリテーションの方法が、非常に効果的であることは今では疑う余地はありません。

ところが、「筋膜リリース」という言葉を聞くと、「筋膜がくっついている」「癒着している」から、それを“剥がす”というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

これに対し、基礎医学や医療、リハビリテーションの現場では「筋膜って、ほんとうに剥がせるの?」という声も少なくありません。

この記事では、筋膜リリースの本当の意味と、科学的に分かってきた“実際の効果”について、わかりやすくご紹介します。

筋膜とは?──身体を覆う“第二の骨格”

筋膜(ファシア)は、筋肉、臓器、血管、神経などを包むネット状の結合組織で、全身を立体的につないでいます。

その主成分はコラーゲンで、弾力があり、構造を維持しながらもある程度の柔軟性を持ち合わせています。

筋膜には以下のような役割があります:

  • 身体の構造を保つ(姿勢や動きの土台)
  • 筋肉の滑走を助ける
  • 痛みや動作の感覚に関与
  • トリガーポイントの発生源にもなる

「筋膜を剥がす」は本当にできるのか?

結論:

物理的に“筋膜を剥がす”ことは、科学的にはほぼ不可能

2008年のChaudhryらの研究では、筋膜を1%変形させるには約90kgfの力が必要とされています。

フォームローラーや手技では、せいぜい10kgf前後の圧しかかからず、深層筋膜には届かないとされています。

※参照:Chaudhry H. et al., Journal of the American Osteopathic Association, 2008

つまり、「筋膜を剥がす」「溶かす」といった表現は、実際の組織変化としては非現実的です。

では、なぜ「軽くなった」「効いた」と感じるのか?

その答えは、「神経・感覚・循環系の変化」にあります。

  • 神経への刺激:筋膜には多くの感覚受容器があり、軽い刺激で緊張緩和・副交感神経優位などの反応が生じます。
  • 滑走性と血流改善:筋膜と筋肉の滑走がスムーズになることで、血流が改善し、可動域や動作感が向上します。
  • 感覚の再構築(中枢反応):身体感覚が一時的にリセットされ、「整った」「ほぐれた」と感じやすくなります。
  • プラセボ効果:信じて行うことで、身体が自然に反応する心理的要素もあります。

これらはすべて、“構造”ではなく“機能”の変化であり、筋膜リリースが「神経生理学的介入」であることを示しています。

「剥がせる」と言われてきた理由とその誤解

一部の手技療法では、「癒着を剥がす」という表現が使われてきました。

しかし、現在の研究ではそのような変化を短時間で実現する証拠は乏しく、あくまで比喩的な表現にとどまるとされています。

とはいえ、一部の文献では以下のような可能性にも触れています:

  • Steccoら(2011):長期的な張力によって筋膜構造がリモデリング(再構築)されることがある
  • Langevinら(2004):慢性腰痛患者では、筋膜組織が肥厚・滑走性低下している様子が画像で観察された→筋膜の滑走障害が持続する痛みや運動制限と関係する可能性を示唆しており、筋膜の柔軟性や動きやすさを保つケアの重要性を裏づける

こうした変化は、何ヶ月〜年単位の力学的刺激による組織適応であり、フォームローラーや短時間の手技で「剥がれる」ような即時的な構造変化ではありません。

セルフ筋膜リリースの方法と注意点

『筋膜リリース』の名称には様々な研究が進められている最中ではありますが、筋膜リリースという方法自体は、非常に効果的な手段であることは間違いありません。

一例を示します。

:背中のフォームローラー

  1. 床に座り、背中にローラーを置き上下に転がす
  2. まずは5分間から、呼吸を止めず、痛気持ちいい程度で行う

おすすめセルフケアツール:トリガーポイント グリッドフォームローラー(Mueller Japan)

セルフ筋膜リリースを安全かつ効果的に行いたい方には、Mueller Japanの「トリガーポイント グリッドフォームローラー」がおすすめです。

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この製品は、筋膜の滑走性を高める凹凸構造と適度な硬度設計により、

  • 表在感覚への刺激
  • 血流促進
  • 神経系リラックス

といった機能的な効果を引き出しやすく、解剖学とリハビリ知見を背景に設計された信頼性の高いケアツールです。

軽量・コンパクトで使いやすく、医療・フィットネス現場でも幅広く採用されています。

注意点:

  • 強く押しすぎない(青あざはNG)
  • 神経が敏感な方、線維筋痛症の方は慎重に
  • やりすぎは逆効果。1日1部位、数分までが基本

まとめ:剥がすのではなく、「整える」ことが目的

筋膜リリースとは、“筋膜を剥がす”のではなく、“神経・感覚・滑走性を整える”ためのケアです。

「剥がす」というイメージにとらわれすぎると、強刺激や無理なケアにつながりかねません。

やさしい刺激で、今の自分の身体と対話しながら“整える”意識こそが、筋膜リリースの本質といえるでしょう。

参考文献

  • Chaudhry H., Schleip R., et al. (2008).
    Three-Dimensional Mathematical Model for Deformation of Human Fascia.
    Journal of the American Osteopathic Association, 108(8), 379–390.
  • Schleip R. (2003).
    Fascial plasticity – a new neurobiological explanation.
    Journal of Bodywork and Movement Therapies, 7(1), 11–19.
  • Wilke J. et al. (2019).
    Myofascial chains: fact or fiction?
    Journal of Anatomy, 234(6), 838–850.
  • Stecco C. et al. (2011).
    The anatomical and functional relation between gluteus maximus and fascia lata.
    Journal of Bodywork and Movement Therapies, 15(2), 127–132.
  • Langevin H.M. et al. (2004).
    Ultrasound evidence of altered lumbar connective tissue structure in chronic low back pain patients.
    BMC Musculoskeletal Disorders, 5:29.
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【リハビリ・筋膜リリース対応】ヨガマット・トレーニングマットおすすめ3選|実例と比較表つきhttps://4-unique-steps.com/mat-review/Tue, 20 May 2025 16:07:26 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1407

記事内に商品プロモーションが含まれる場合があります 自宅で、リハビリや健康維持のために、ストレッチ、『筋膜リリース』、筋力トレーニングに取り組む方が増えています。その中で、実はとても重要なのがマット選びです。 マットの素 ... ]]>

自宅で、リハビリや健康維持のために、ストレッチ、『筋膜リリース』、筋力トレーニングに取り組む方が増えています。
その中で、実はとても重要なのがマット選びです

マットの素材や硬さによって、フォームローラーなどの道具の使いやすさや、トレーニング姿勢の安定性、ケガ予防のしやすさまで変わってきます。
この記事では、目的に応じて選べるおすすめのマット3選を、実例と比較表を用いてご紹介します。

Amazonベーシック ヨガマット|やわらかさと価格で選ぶ初心者向けマット

Amazonオリジナルブランドのリーズナブルなマットです。厚みは約10mmと分厚く、とくにご高齢の方や腰痛がある方に「身体が痛くない」と喜ばれます。
ストレッチや軽めの体操、リハビリ初期にぴったりです。

  • 素材:NBR(ニトリルゴム系フォーム)
  • 厚さ:10mm
  • サイズ:183cm × 61cm
  • 重さ:約900g

実例:リハビリ初期の方が数多く使用

Amazonマット

身長150cmくらいの方です。

足関節の骨折後、かつ腰痛持ちのため、柔らかいものを選択。

横から見ると、かなり厚めです。

丸めると、やや太くなってしまいます。収納場所も想定しましょう。

実際に、リハビリプログラムの中で、ストレッチやバランス練習を始める際に使用されています。沈み込みが強めなので、安定性よりも「安心感」を重視する人に最適です。

メリット・デメリット

メリット

  • 価格が安く、気軽に始められる
  • ストレッチや軽い運動には十分なクッション性

デメリット

  • フォームローラーやボールを使用する時はやや沈み込みが気になる
  • 長期使用では劣化しやすい

ひっかき傷がややでき易い

こんな人におすすめ!

  • まだ自信はない段階だけど、リハビリや体操を気軽に始めたい方
  • 硬い素材の上に座ったり寝たりすると、お尻の骨や腰が痛くなりやすい方
  • コスパ重視でまずは1枚揃えたい方

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トリガーポイント モビリティーマット|筋膜リリース&セルフケア向け

フォームローラーやストレッチボールで有名な、トリガーポイントの「モビリティーマット」は、『筋膜リリース』や道具を活用したセルフケア特化型マットです。
沈みすぎず、しっかりとした硬さがあり、ローラーや体幹トレーニングに最適です。

  • 素材:PVC(ポリ塩化ビニル)85%、ポリエステル15% 
  • → 高密度PVCフォームに繊維を加えることで、滑りにくさと耐久性を確保した構造です。
  • 重さ:約1.25kg
  • 厚さ:5mm
  • サイズ:183cm × 61cm

フォームローラー・ボール使用時に大活躍

トリガーポイント各種ツール

多彩なトリガーポイントのセルフケアグッズ。

使用する際、マットが沈まず圧が体にしっかり届く。滑りにくいため、ケガの予防にもつながります。

トリガーポイントマット

12種類のグリッドフォームローラーの使用方法と4種類のマッサージボールの使用方法が、イラストで分かりやすく本体に表記(英語表示)

フォームローラーやストレッチボールを使ったストレッチでも、圧がしっかり筋膜に伝わりやすいのが特徴です。

メリット・デメリット

メリット

  • フォームローラー・ストレッチボールとの相性抜群
  • 立位でのトレーニングにも最適な安定性と耐久性

デメリット

  • クッション性は少ないためジャンプ系には向かない
  • 価格はそこそこ高め

こんな人におすすめ!

  • フォームローラーなどを使って『筋膜リリース』を本格的に行いたい方
  • マットの沈み込みが気になる方

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Naboso Training Mat|裸足トレーニング&神経刺激に特化

Nabosoは、足裏や手のひらの感覚入力を活性化する特許構造を備えた特殊マットです。
「Training Mat」は、立位トレーニング向けに設計されており、スクワットやランジなどの感覚系トレーニングに最適です。

  • 素材:高性能ラバー(詳細非公開)
  • 厚さ:5mm(テクスチャ厚:1.5mm)
  • サイズ:183cm × 61cm
  • 重さ:約2.2kg
  • 特許:米国特許第11642279号(テクスチャ加工)

医療ピラティス施設や専門的なトレーニングジムでも使用されています

立位での裸足トレーニングにて、バランス・フォームの安定感が向上します。「立っているだけで効果がある」との評価も。

@naboso.jp
@naboso.jp
@naboso.jp

足の裏から感覚入力される、凹凸面が唯一無二のマット。

一歩を踏み出すたびに、足の神経は何千もの信号を脳に送っています。​​

身体への信号が多いほど、より良いバランスや姿勢を得ることができ、様々な環境に対応できます。​​

@naboso.jpより引用

  • 足裏からの感覚入力により、姿勢やフォームが安定
  • 軽量設計で持ち運びもしやすい
  • 神経トレーニングやピラティス、ベアフットワークに特化

メリット・デメリット

メリット

  • 感覚入力効果が圧倒的に高い
  • 防水・高耐久で長期使用可

デメリット

  • 価格が高い(約24,000円)
  • 特殊な刺激感に好みが分かれる

こんな人におすすめ!

  • 本格的な感覚神経トレーニングを取り入れたい方
  • バランス・姿勢改善に重点を置きたい方
  • 医療・リハビリ分野で高機能マットを探している方


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比較表|あなたに合うマットはどれ?

マット名特徴素材厚み価格目安おすすめ対象
Amazonベーシックヨガマット柔らかめ・コスパ良好NBRフォーム約10mm約3,000円リハビリ初期・軽い運動
トリガーポイント COREマット高密度・沈まない・トレーニイングの絵がついている高密度EVA約5mm約7,000円フォームローラー等・中級者向け
Naboso MIND BODY MAT・TRAINING MAT感覚神経刺激・高耐久RBEVA+ラバー約5mm・7mm約24,000円バランス・姿勢改善、医療リハビリ層

まとめ|最適なマットでリハビリ・セルフケアを行いましょう

マットはただの敷物ではありません。
選び方ひとつで、リハビリやトレーニングの成果が変わります。

本記事で紹介した3つのマットを参考に、
ぜひ自分に合った1枚を選んで、リハビリ・セルフケアを快適に続けていきましょう!

ライザップ(RIZAP)の筋トレメニューが効果的である、あまり知られていない理由 ]]>
筋トレ成功の分かれ道|“動けない”からの脱出を助けるポイントhttps://4-unique-steps.com/strength-training-success-tips/Mon, 21 Apr 2025 13:46:09 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1385

筋力トレーニングは、多くの人にとって「必要」とされながらも、「うまくいかない」例も少なくありません。同じような疾患を抱えていても、結果に差が出るのはなぜでしょうか? 今回ご紹介するのは、肩・膝・腰の3つの異なるケースです ... ]]>

はじめに:なぜ、うまくいく人といかない人がいるのか?

筋力トレーニングは、多くの人にとって「必要」とされながらも、「うまくいかない」例も少なくありません。
同じような疾患を抱えていても、結果に差が出るのはなぜでしょうか?

今回ご紹介するのは、肩・膝・腰の3つの異なるケースです。
それぞれの方に共通していたのは、ある「工夫」を加えたこと。
それが、回復の分かれ道になっていました。

ケース1:肩の人工関節手術後、肩を動かすのが怖かった62歳女性

【登場人物】高野美菜子さん(仮名・62歳・TSA後)

「痛みがないのに、肩を上げられない」
術後の経過は順調でも、肩に手が届かず日常生活が不自由だった高野さん。
リハビリ初期は、恐怖感と過緊張が強く、代償動作も出やすい状態でした。

分かれ道となったのは、
・難しい訓練(肩関節回旋の筋力トレーニング)は、理学療法士の監修を徹底したこと
・日常生活場面で、腕だけではなく、肩甲骨と体幹を一体で動かす工夫
痛い時から使うことが出来るトレーニング道具を選んたこと→「できること」から始め、小さな成功体験を積み重ねた

詳細はこちらの記事で:
肩TSA後のリハビリで動きが戻った理由|高野美菜子さんのケース

ケース2:人工膝関節の手術後、動けないままだった65歳女性

【登場人物】後藤かなえさん(仮名・65歳・TKA後)

「手術すれば歩けると思ってたのに、全然動けない…」
TKA(人工膝関節全置換術)を受けた後も、膝裏の痛みと屈曲制限が残ってしまい、外出もままならなかった後藤さん。
防御的な筋の緊張が強く、痛みに対する不安も重なっていました。

分かれ道となったのは、
・膝周囲だけでなく、股関節や体幹を含めた連動トレーニング
・一人でできる「安全な動き(チェアスクワットなど)」の反復
・日常での役割を自然にこなしているうちに回復してきた(孫とブランコに乗った)

詳細はこちらの記事で:
TKA術後に笑顔を取り戻した理由|後藤かなえさんのケース

ケース3:高校時代の腰椎分離症から、社会人10年目で活きた経験

【登場人物】吉田裕作さん(仮名・32歳・元社会人野球選手)

「また動けなくなるかも、という不安がずっとあった」
高校時代に腰椎分離症を発症し、思うように野球が出来ない時期が長く続いた吉田さん。
しかし社会人になってからも、腰の痛みや不安定性と常に向き合い競技を続けました。

分かれ道となったのは、
腹圧(インナーユニット)と体幹の安定性に目を向けた点
痛みのためのトレーニング道具を使用してこまめにセルフケアを行ったこと
・野球指導者としての道に進む、という目標設定

詳細はこちらの記事で:
腰椎分離症からの復帰とその後|吉田裕作さんのケース

筋トレが「成功」した人たちに共通していたこと

これら3つの事例に共通していたのは、以下のような要素でした:

  • ただ患部をケアするだけでなく、周辺の関節や全身的な動きを見直した
  • 自分の身体に合ったセルフエクササイズ方法を見つけて、主体的に続けることができた
  • 独学ではなく、療法士やトレーナーと協力してリハビリを継続した

筋トレの成否は、筋肉の太さだけで決まるわけではありません。
その人の背景、生活環境、心の動きを見極め、「ひと工夫」することが成功を後押しします。

おわりに:あなたにとっての‟成功の分かれ道”は?

体を動かすのが怖い、筋トレで効果が出ないーー
そんなときは、「その方法がたまたま合っていない」だけかもしれません。
助けてくれる方と積極的にコミュニケーションをとり、自分と向き合うことで、必ずあなたにとっての“分かれ道”が目の前に現れると思います。ぜひ、事例をヒントにしてみてください。

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「手術したのに膝が曲がらない」ーー人工関節手術後、筋トレで不安を超えた65歳女性の記録https://4-unique-steps.com/tka-training-success/Sun, 20 Apr 2025 23:37:49 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1322

「結局ずっとこのままなのかと思って絶望しました…」 「手術したのに膝は曲がらないし、歩くのが怖くなった」 そんなふうに、不安を抱えて術後のリハビリを始めたのは、65歳の女性・後藤かなえさん(仮名)。 右の膝に、人工関節を ... ]]>

「結局ずっとこのままなのかと思って絶望しました…」

「手術したのに膝は曲がらないし、歩くのが怖くなった」

そんなふうに、不安を抱えて術後のリハビリを始めたのは、65歳の女性・後藤かなえさん(仮名)。

右の膝に、人工関節を入れる手術(TKA:人工膝関節全置換術)を受けた直後のことでした。

でも、丁寧な筋トレと「新たな自分の膝」の使い方を根気よく覚えていくことが、後藤さんの身体と心に変化をもたらしていきました。

正座どころか、500メートルも歩けない。階段も一段ずつしか降りられない。

とうとう、だまっていても痛みは引くことが無くなり、終わる気がしなかったブロック注射を断念し、最終的に選択したのは、人工膝関節全置換術(TKA)手術でした。

手術後のリハビリ初日。
後藤さんの膝は思うように曲がりませんでした。
術前の膝の状態が術後にも影響する」と散々リハビリ担当者に言われていたのを思い出しました。

なんとなく、そんなうまくはいかない気はしていたけど、「手術さえすれば」という希望がいざ本当に打ち砕かれると、絶望感しかわきませんーー

さらに、膝裏の強い痛みと「防御性収縮(=怖くて筋肉が緊張し痛む反応)」が目立っていました。

「曲げようとするだけで怖いんです。痛いかもって思うと、勝手に体が拒否しちゃって…」

術後3週目までは、“痛みの軽減”が最優先

リハビリ初期(1日目〜術後3週)は、炎症症状(腫れ・熱・痛み)を抑えることが最優先でした。

この時の後藤さんのリハビリ内容は以下の通りです。

  • 冷却(アイシング)
  • セッティング(太ももを締める運動)
  • アンクルエクササイズ(足首の柔軟性と血行の回復)
  • スライディングボード(小さいスケートボードの様なもの)に足を乗せて、軽く膝を曲げ伸ばし
  • NUSTEP(ペダルを使った運動)

膝を“動かす練習”というよりは、「動かしても大丈夫かも」と思える感覚を育てる段階でした。

術後3〜6週|少しずつ、筋力と可動域拡大のトレーニングへ

つらい術後の日々は、あっという間でした。

痛みが落ち着いてきた3週目以降は、筋トレ(=筋力トレーニング)と動作訓練のフェーズへ。

  • ROM(関節の動く角度)訓練を、仰向けで療法士にやってもらうことに加え、座位で自分の力を使って行う
  • 太もも前(大腿四頭筋)、お尻(殿筋や深層筋)、ふくらはぎ(下腿三頭筋・ヒラメ筋)のトレーニング
  • 足首や股関節の連動性を高める協調性訓練
  • 段差昇降やスクワットの体重がかかった状態での動作も導入

徐々に、「曲がらないから怖い」→「動かす感覚が戻ってきた」という心理的な変化も出始めました。

術後3ヶ月〜4ヶ月|「膝が曲がる気がする」と言った日

術後3ヶ月。後藤さんは、担当理学療法士もあまり聞いたことない、こんな言葉をつぶやきました。

「ブランコをこぐと、なんか膝が自然に曲がる感じがするんですよ」

久しぶりに調子が良かったので、孫と一緒に公園に行って、たまたまブランコに乗ったのだと言うのです。

訓練室で確認すると、実際、うつ伏せでの“バタ足運動”などで、リズムよく膝が曲がるようになってきていました。

この時期の後藤さんのリハビリ内容です。

  • チェアスクワット(イスからの立ち座り)
  • ストレッチベンチでの太もも裏〜ふくらはぎ伸ばし
  • 超音波治療(患部の炎症緩和)
  • 自宅でのセルフケア(アイシング・軽運動)

これらのメニューを組み合わせながら、生活動作もスムーズに。

「スーパーまで歩いていけるようになりました。怖さが減った分、気持ちも軽くなった気がします」

【理学療法士として】防御性収縮の解除は、段階的なプログラムに加え、「自信の積み重ね」

後藤さんのような患者さんにお会いすると強く感じるのは、“やる気”ではなく“安心感”が可動域を広げるということです。

「膝が曲がらない」のではなく、辛いエピソードが重なって、「膝を曲げたくない」のかもしれない。

そう思って、少しずつ、“安心して動かせる体験”を積み重ねる関わり方を意識しました。

術後の筋トレは、ただの筋力強化ではありません。

「この体でまた歩けるかもしれない」と思えるきっかけ作りなのです。

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「腰痛とのつきあいが、自分と向き合うことそのものだった」ーー高校球児のころから腰痛と戦い続けた腰椎分離症のセンターの記録https://4-unique-steps.com/spondylolysis-baseball-player/Sun, 20 Apr 2025 12:30:49 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1324

「腰を壊してなかったら、僕は自分自身に向き合うことはなかったと思います」 そう語るのは、現在32歳の吉田裕作さん(仮名)。彼は、10代の頃に患った第4腰椎分離症(背骨の疲労骨折が誘因)によって、痛みとともに競技を続ける、 ... ]]>

「腰を壊してなかったら、僕は自分自身に向き合うことはなかったと思います」

そう語るのは、現在32歳の吉田裕作さん(仮名)。
彼は、10代の頃に患った第4腰椎分離症(背骨の疲労骨折が誘因)によって、痛みとともに競技を続ける、という時間を10年以上過ごしてきました

現在は、IT企業で働きながら高校野球の外部コーチとしてグラウンドに立ち、自分がもがき苦しんでやっとたどり着いた「自分の身体と向き合う姿勢」を、若い選手たちに伝え続けています。

中学時代に発症|痛みとの付き合いが始まった

吉田さんは、千葉県内の強豪校でセンターを任されるほどの選手でした。
小さいことから父の猛特訓を受け、プロ野球選手になる夢しかみることがなかった年月を過ごし、中学時代に第4腰椎分離症を発症。

診断後、患部外(発症の場所以外)のリハビリを受けながら、2〜3ヶ月間の硬性コルセットによる保存療法を受けましたが、毎回の画像検査への期待は裏切られ、吉田さんの骨は癒合することはありませんでした。

吉田さんは、ずっと、慢性的な腰痛を抱えたまま、野球を続けることになったのです。

大学生時代の再燃と、本格的な身体づくり

吉田さんは当初、自分のため以上にお父さんなど、周りの期待に応えるために野球に打ち込んでいました。

大学に進学後も野球を続けていましたが、ある夏、痛みが再燃し、病院で再び診察とリハビリを受けることに。
当時の理学療法士からの評価は、以下の3点でした。

  • 腹圧がうまく使えず、腰を反らせる動きが強い
  • 胸郭や股関節の可動性が低下しており、腰に負担が集中している
  • 体幹の筋力や呼吸の使い方に課題があり、動作全体の見直しが必要

「ただ単に腰の怪我を治すというより、腰の症状を受け入れることから始めました。自分しか自分の体を大事にできない、ということを初めて考えたんです」——吉田さんは当時をそう振り返ります。

社会人野球、そして引退|第二の人生へ

吉田さんは、たとえ代打起用になっても後輩のサポート役になることがあっても、野球をやめませんでした。

大学卒業後は、社会人野球チームに所属しました。
常に腰痛と付き合い、野球に真剣に打ち込むことだけを考えてきました。

そして30歳を前に引退を決意。成績や体の限界が訪れたとき、吉田さんは妙にすがすがしい気持ちになりました。

「怪我を抱えてプレーしてきた経験が、自分を冷静に見つめる技術を与えてくれました。だから、“終わる”って決めた時も、前向きに居れたんです」

その後、IT企業に再就職。一方で、高校野球部の外部コーチとして、後輩たちの育成にも関わるようになります。

身体と向き合った時間が、今の自分をつくっている

吉田さんは今、週末の練習や大会に同行しながら、痛みが出にくい身体の使い方や、継続できるトレーニングについて指導を続けています。

「あのとき、怪我した経験があって自分の痛みに気づいたから、人の痛みがわかるようになったんです」

吉田さんのように、怪我をきっかけに「体の使い方」や「今までの自分との向き合い方」が変わるケースは少なくありません。
痛みを通して築かれた「自分の体と向き合うこと」は、人間の生活にとって最もシンプルで基本的なことなのだと改めてきづかされました。

吉田さんが長年使って厳選した、痛みのためのトレーニング道具の紹介

以下の道具は、それぞれパイオニア的なメーカーです。
長年高齢者からアスリートにまで支持されている理由は、圧倒的な機能性の高さ。
耐久性やクッション性に優れていることにあります。

#ストレッチポール

#フォームローラー

#ストレッチボール

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「夜もぜんぜん眠れなかったのに…!」 〜肩の人工関節手術を経て、自分の腕を取り戻した62歳女性の記録〜https://4-unique-steps.com/shoulder-arthroplasty-recovery/Sat, 05 Apr 2025 06:55:21 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1307

「夜ぜんぜん眠れず、変な夢ばかりみてしまう」「上着の袖に腕を通すのがつらい」「もうこの肩はあきらめている」—— 外来リハビリに来るたびにそう話していたのは、62歳の女性・高野美菜子さん(仮名)。長年の痛みに悩み、ついには ... ]]>

「夜ぜんぜん眠れず、変な夢ばかりみてしまう」
「上着の袖に腕を通すのがつらい」
「もうこの肩はあきらめている」——

外来リハビリに来るたびにそう話していたのは、62歳の女性・高野美菜子さん(仮名)。
長年の痛みに悩み、ついには左肩の人工関節手術(TSA:人工肩関節全置換術)を選択しました。

長いリハビリの中で、手術後も不安の声は続きましたが、少しずつ、“自分の腕が戻ってくる”感覚を取り戻していったのです。

術後初期|「このまま動かないのでは」そんな不安からのスタート

高野さんは、20年ちかくにわたり左肩の変形性肩関節症に苦しんでいました。
夜間痛が強く、寝返りすら打てない生活が続いていたといいます。
やっと、子育ても終わって自分の時間が出来ると思ったのに——―
高野さんは、悔しくてなんども泣きました。

そして、やっと手術を決意したのです。

手術直後は、肩の可動域(動かせる範囲)はごく狭く、動かすのが怖くて、防御性収縮(痛みへの恐怖で体がこわばる反応)も目立ちました。

「本当にこの肩、また動くようになるのかしら…」

すぐにリハビリ開始|少しだけ動かすことから始めた日々

術後1〜2ヶ月、高野さんは次のようなリハビリを受けました:

  • ストレッチポール
  • タオルスライド(手~腕をタオルにのせ、滑らせる運動)
  • 肩甲帯(肩甲骨-上腕)の安定化エクササイズ
  • 壁歩き(指で壁を登るように動かし、腕を上げる)
  • 家事動作を想定した訓練(洗濯、掃除、棚の出し入れなど) 

目標は「痛くない範囲で“生活に必要な動き”を取り戻すこと」でした。

※この痛みが辛かった時期、高野さんが使用していた型のストレッチポール(担当者推奨)。これが無かったら回復は遅れていました。(画像はロングのイメージ図です)

変化の兆し|「動かせる感覚」が自信につながった

リハビリ3ヶ月目、高野さんはこう言いました。

「なんかね、昨日より少し動く感じがあるの」
「ほんのちょっとでも、自分で動かせるようになると嬉しいのよ」

肩の挙上可動域は90度を超え、なんとか洗濯物を干せる高さまで回復。
何も出来ない日でも、せめてストレッチポールには横になっていることは欠かしませんでした。
いつの間にか姿勢が改善し、動かす時の“怖さ”が和らいできたのでした。

退院後の生活|「ガーデニングができたのが嬉しかった」

退院後も、自宅でのセルフケア(肩の運動・アイシング・ストレッチ)をセラピストの指示通り継続。
ガーデニングを再開し、かがんで前に伸ばしたり、小さな鉢植えを持ち上げて植え替えることもできたそうです。
「動きはまだまだだけど、“自分の腕だ”って実感があるのが、すごく嬉しい!」

担当者として高野さんのリハビリを振り返って

高野さんのリハビリを通して再確認できたのは、他人の手で関節可動域を広げることが出来ても、自分で積極的に使用しなければ日常生活に反映されない、という点です。
「自分で工夫してできた」「自分のやりたい事で腕を使った」ことを積み重ねていかなくてはいけない、ということでした。

リハビリの成果は、関節の角度だけではありません。
「また使ってみよう」「やってみたい」——そう思える心の回復も含めて、私たちは支えていかなければいけないのだと感じています。

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【体験記】TOEIC学習2ヶ月目の壁と気づき|RIZAPイングリッシュで変わった“見方”と“聞き方”https://4-unique-steps.com/rizap-english-month2/Thu, 03 Apr 2025 10:24:28 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1281

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※本記事にはプロモーションが含まれています。

はじめに|「理解できる」と「使いこなせる」は違った

TOEIC学習を始めて1ヶ月が経ち、少しずつ英語の型が見えてきた感覚がありました。

しかし2ヶ月目に入り、より実践的な内容に取り組む中で、「分かっているつもり」が通用しない場面が急増。

今回は、文法やリスニングに対する自分の思考パターンと向き合いながら、「学習を続けるだけでは見えてこなかったクセや限界」に気づいていく過程を記録しています。

使用テキストが送られてきた 【体験記】RIZAPイングリッシュでTOEIC対策を始めました|基礎から見直す学習の記録

Week5〜6|文法の壁にぶつかる日々

この時期は、出る1000を使って文法の深掘りに取り組みました。

これまでのような単純な品詞問題なら安定してきましたが、準動詞(不定詞・動名詞)、分詞構文、可算/不可算名詞など、少し複雑なテーマになると一気に正答率が落ちました。

その場では説明を理解できても、実際の問題になると選択肢に迷ってしまう。

特に可算/不可算名詞は、セッション中に何度か質問もしましたが、説明を受けるほどに混乱してしまい、その場ではうまく整理できませんでした。

ただ、セッション後にあらためて自分で復習したことで、先生の言っていたことがようやく理解できる、ということが何度かありました。

模試では、Listeningの点数はまずまずだったものの、力を入れていた文法問題の正答率が50%と下がっていて、自分でもがっかり。

一方で、長文読解は以前よりもスムーズに読めるようになり、少しずつ手応えを感じ始めていました。

この頃からKikutan800に進み、急に見慣れない単語が増えて不安もありましたが、「この単語、前も見たかも」という感覚が少しずつ積み上がっていきました。

また、講師が体調不良となり代講の先生が担当してくれた日もありました。

発音のチェックがより細かく、読むスピードをタイムで測る練習なども新鮮で、視点の違いに刺激を受けた週でもありました。

Week7〜10|弱点への対処とテスト戦略の切り替え

この時期は、「分からないことをどう扱うか」が大きなテーマになっていました。

模試では、点数が前回より下がってしまい、気持ち的にも落ち込みそうになりましたが、
「このままでは変わらない」
と切り替えるきっかけにもなりました。

リスニングでは、一カ所聞き取れなくなると焦り、後の内容がまったく入ってこなくなる“迷子状態”に。

そこで取り入れたのが「リピーティング」。

聞いた英文をすぐに口に出すトレーニングによって、短期記憶と集中力を強化し、音のかたまりを処理する力を鍛えることにしました。

あわせて、テスト戦略自体も見直しました。

リーディングでは、疲れて解ききれないPART7を先に解くスタイルに。

Listeningでは、問題文を先読みして、会話の流れを予測してから聞くように変更。

マークシートの塗り方や解く順序にも工夫を加えるようになりました。

知識だけでなく、「どうやって得点につなげるか」を意識するようになり、学習の視点が一段深まったように感じました。

まとめ|“自分のクセ”に気づいて、ようやく対処できるようになった

TOEIC学習2ヶ月目は、スコアの上下以上に、「自分の思考や学習のクセ」に向き合う時間でした。

  • 知識はあるのに使いこなせない
  • 焦ると混乱して崩れる
  • 分からないのに質問できない

そんな自分のパターンに気づき、少しずつ修正できるようになったことが、今後の大きな財産になると感じています。

RIZAP ENGLISHでは、知識の積み上げだけでなく、「その知識をどう活かすか」「どこでつまずいているのか」を一緒に見つけてもらえるからこそ、深く学べる。

それが、学習の継続と変化につながっていると実感しています。

無料カウンセリングの効果

私自身、英語力に自信が持てず、学習の方向性にも迷っていたとき、RIZAP ENGLISHの無料カウンセリングを受けました。

レベルチェックや目標の整理を通じて、自分に合った学び方を見つけることができたのは大きな収穫です。

「自分のやり方が合っているのか分からない」

「努力しているのに結果につながらない」

そんな方には、まず話を聞いてみることをおすすめします。

\無料カウンセリングはこちらから/


近日、またその後を記録していきます。

使用テキストが送られてきた 【体験記】RIZAPイングリッシュでTOEIC対策を始めました|基礎から見直す学習の記録 ]]>
親が囲われ、任意後見人は“他人”に|認知症と信仰、そして財産をめぐる実話https://4-unique-steps.com/guardianship-issues-realcase/Wed, 02 Apr 2025 06:23:05 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1255

※記事にプロモーションが含まれる場合があります。 ※これは実際にあった話ですが、筆者が関わる機会があった娘さん側の事実・言い分を元に書いています。 親が認知症を発症したあと、家族ではない人物が任意後見人となり、気づいたと ... ]]>

※記事にプロモーションが含まれる場合があります。

これは実際にあった話ですが、筆者が関わる機会があった娘さん側の事実・言い分を元に書いています。

親が認知症を発症したあと、家族ではない人物が任意後見人となり、気づいたときには、親の生活も財産も“他人の手”にあった——。

「親の介護に関わりたくない」と思っていた娘が、本当に何も言えなくなっていたという現実。

その背景には、「任意後見制度」という仕組みの落とし穴がありました。

“信仰の仲間”に囲われていた母

A子さん(仮名)の母は、70代。長年信仰を共にしていた宗教団体の仲間と親しくしており、軽度の認知症が出始めた頃から、その女性が生活支援をするようになりました。

  • 外食や旅行
  • 宗教の集まりへの送迎
  • 食事の準備、服薬の管理
  • 通院の付き添いや、福祉制度の手続き
  • 介護サービスとの連絡や情報管理

母は「○○さんはなんでもやってくれるの」とすっかり心を許していました。

娘が関わろうとしたときには「任意後見人」がすでに他人に

しばらくしてA子さんが帰省し、母の生活状況を確認しようとしたところ、その女性が母の「任意後見人」になっていたことが発覚します。

しかも契約は、母の認知症がまだ軽度だった頃に”母の希望“として結ばれており、

すでに家庭裁判所によって「任意後見監督人」も選任され、契約が発効済みでした。

「まさか後見人の名前を見て、“誰これ?”ってなるとは思っていませんでした」

任意後見制度は、“信頼関係のない契約”にもなりうる

任意後見契約は、本人が元気なうちに、誰とでも結ぶことができます。

家族以外との契約も有効で、親族に通知する義務はありません。

そして、契約が発効したあと(=任意後見監督人が選任された後)は、家族であっても一方的に契約を取り消すことはほぼ不可能です。

A子さんの母も、任意後見人となった宗教仲間の女性が、ATMからの現金引き出し・日常の生活費管理などを自由に行っている状態でした。

不動産はまだ守られていたが…

さらに問題なのは、任意後見人が契約内容によっては親の不動産を売却できる可能性があることです。

ただし、以下の条件があります:

  • 任意後見契約に「不動産の処分権限」が明記されていること
  • 本人が居住する家・マンションを売却するには、家庭裁判所の許可が必須(民法第859条の3)

幸い、A子さんの母は現在も自宅マンションに居住しており、不動産の売却はまだ手がつけられていません。

「もし家を売られていたらと思うと、心底ゾッとします。でも、母がそこに住んでいたからこそ、かろうじて止まっているだけなんです」

なぜもっと早く、制度を知っていなかったのか

A子さん自身、「親の介護に関わりたくない」と思っていた時期がありました。

しかし、「何もできなかった」という現実の重みは、それ以上だったと語ります。

「制度をちゃんと知っていれば、違った選択ができたかもしれない。

制度があることは知ってたのに、“他人に使われる危険”までは考えていなかったんです」

「凍結される前に、備える選択肢もあります」

任意後見制度は、本人を守る制度ですが、契約内容によっては、家族が介入できなくなるリスクもあります。

そして、認知症が進行すると「本人の意思能力が失われた」と判断され、次のような“資産凍結”の状態になることがあります:

  • 銀行口座の出金・定期預金の解約ができない
  • 自宅の売却や資産の移動ができない
  • 保険や証券の解約も不可になる

介護費や医療費、生活費を“家族が建て替える”しかない状況になることも。

だからこそ、「家族信託」という仕組みも知っておきたい

最近注目されているのが、「家族信託」という新しい制度です。

親が元気なうちに、信頼できる家族を“受託者”として任せておくことで、将来の資産凍結を防ぎ、柔軟に財産を管理できるようになります。

  • 認知症になる前に契約することで、家族が動けるように
  • 任意後見より裁判所の関与が少なく、実務的に機能しやすい
  • 資産管理と介護支援を両立しやすい制度設計が可能です

【おすすめの相談先:「家族信託のおやとこ」】

「おやとこ」は、家族信託の契約件数No.1の実績を持つ法律事務所です。

全国7拠点、年間数千件の相談に対応。

高齢の親をもつご家族(40〜60代)からの信頼も厚く、相続・後見・信託・介護・資産管理に関する包括的な提案を行っています。

  • 司法書士など専門家による無料相談
  • 家族の状況に応じた制度設計とリスク回避のアドバイス
  • 「判断できるうちに相談する」ための導線が整っている

▼資産凍結を防ぐ“家族信託”について無料相談はこちら:

>家族信託のおやとこ

まとめ|親が囲われないために、“知らない”をなくす

  • 後見制度は、正しく使えば力になる
  • でも、間違った相手・タイミング・契約方法では、取り返しのつかないことになる
  • 「介護したくない」と思っていても、制度だけは知っておいてほしい

大切なのは、少しでも早く、正しい味方とつながること。

それが、親の生活と家族の未来を守る一歩になるはずです。

【参考資料

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【体験記】RIZAPイングリッシュでTOEIC対策を始めました|基礎から見直す学習の記録https://4-unique-steps.com/rizap-english-start/Mon, 31 Mar 2025 15:17:34 +0000https://4-unique-steps.com/?p=1199

※記事内にプロモーションを含みます 私がRIZAP ENGLISHのTOEICコースを始めたのは、ただ点数を上げたかったからではありません。「このままじゃいけない」と、本気で思ったからです。 学生時代は、勉強よりも陸上競 ... ]]>

※記事内にプロモーションを含ます

英語が必要になった。「何となく」から抜け出したくて

私がRIZAP ENGLISHのTOEICコースを始めたのは、ただ点数を上げたかったからではありません。
「このままじゃいけない」と、本気で思ったからです。

学生時代は、勉強よりも陸上競技に夢中でした。
高校卒業まで、朝も夕方もグラウンドにいて、正直、基礎的な学問に真正面から向き合った経験があまりありません

英語に関しては、ずっと苦手意識がありました。
でも、仕事や将来の選択肢を考えると、英語力は避けて通れない。
それなのに、何からどう始めたらいいか分からない状態でした。

最初の現実|TOEICスコア615点。でも「分かってない感」が強すぎた

受講前にTOEIC(IPテスト)を受けてみたら、スコアはListening:340/Reading:275。合計615点。
「意外と取れた」と思ったのも束の間、実際は“勘”で正解した問題がかなり多かったんです。
読み返しても「なぜ正解だったのか分からない」問題だらけで、まったく自信が持てませんでした。

このまま自己流で続けても、どこかでまた壁にぶつかる気がした。
「今の自分に合ったやり方で、ちゃんと基礎からやり直したい」
そう思って、RIZAP ENGLISHのTOEICスコアアップコースを選びました。

Week1|とにかく“学び直すこと”からスタート

最初の週は、完全に「自分の現状を知る」ことから始まりました。

実施したこと

  • 単語:Kikutan TOEIC600を使って1日80語(小テストあり)
  • 文法:be動詞、品詞など中学レベルからのやり直し(『でる1000』使用)
  • リスニング:TOEIC過去問+スラッシュリーディング、音読、オーバーラッピング練習

やってみて気づいたのは、「分かっていたつもりの単語や文法が、実はあやふやだった」ということ。
“口に出して説明できない=理解できてない”というのを痛感しました。

Week2〜3|英語が“習慣”になってきた

2週目に入ると、ようやく勉強のリズムがつかめてきました。
Kikutanでの単語学習が日課になり、隙間時間でも自然と単語帳を開けるように。

ただ、LINEでの学習報告は、正直ちょっと面倒に感じる日もありました。
でも、送らなきゃいけないからこそ、「今日の勉強、ちゃんとやろう」という気持ちになれたのも事実です。

この頃には少しずつですが、音読がスムーズになってきたり、
文法問題の“パターン”がつかめるようになってきたりと、変化も感じられるようになりました。

Week4|模試で現実を知る。でも、見えた“弱点”に前向きに

初めて公式模試に挑戦。結果は、Listening:240〜310/Reading:230〜310
思っていたよりも低く、特にリスニングは「一度聞き逃すと完全に置いていかれる」という弱点がハッキリしました。

リーディングは後半で集中力が切れて、最後まで解ききれませんでした。
落ち込む…というよりも、「やっぱり甘くなかった」と実感した感じ。
でも同時に、「何をどう改善すればいいか」が明確になって、むしろ前向きになれました。

ここまでの変化

この1ヶ月で、スコアは劇的に変わったわけではありません。
でも、学び方・取り組み方・思考のクセが少しずつ変わってきた実感があります。

  • 単語を思い出すスピードが上がった
  • 音読の滑らかさが出てきた
  • 文法問題が「読解パズル」みたいで少し楽しくなってきた

RIZAP ENGLISHのここがよかった

  • やることが明確で、迷わない
  • 毎日の報告が、習慣化の後押しになる
  • トレーナーが学習+メンタル面も支えてくれる

私はこれまで、やろうと思ったことが続かなかったことはありません。
むしろ、一人で地道にやることには慣れている方です。
それでもRIZAP ENGLISHを選んだのは、自己流では気づけないパターンやクセを、第三者の視点で整理してもらえるから

「がんばってるのに成果が出ない」――そんなときに必要なのは、努力ではなく“軌道修正”でした。

無料カウンセリングについて

私も最初は不安でしたが、無料カウンセリングでは無理な勧誘は一切なく、
今のレベルや目的に合わせた提案をしてくれました。

「まず話を聞いてみる」だけでも、自分の課題がかなりクリアになると思います。

>無料カウンセリングはこちらから

まとめ|努力の方向が定まると、勉強は楽になる

私は怠けていたわけではなく、ただ「やり方」に偏りがあったのだと思います。
RIZAP ENGLISHの学習は、努力の方向を整えてくれる感覚があります。

学ぶ内容もペースも、「自分ひとりでは選ばなかったであろうルート」ばかり。
だからこそ、毎日の中で「気づき」が多く、小さな変化が起き続けています。

これからも記録を続けていく予定です。
この体験が、英語学習やTOEIC対策に迷っている誰かの後押しになれば嬉しいです。

記事で紹介したサービス

RIZAP ENGLISH(TOEICスコアアップコース)

【30日間全額返金】ライザップがTOEICにコミット!ライザップイングリッシュ
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腰椎圧迫骨折の既往がある麻生睦美さん(66)の場合、ライザップ(RIZAP)のストレッチメニューがどう活かせるかhttps://4-unique-steps.com/rizap-case-lumbar-fracture/Mon, 17 Mar 2025 13:58:14 +0000https://4-unique-steps.com/?p=972

麻生睦美さん(仮名・66)は、腰椎圧迫骨折後のリハビリテーションを経て、現在は発症前の生活を少しずつ取り戻しつつあります。 現在は特に、階段の下りや歩行の際のふらつき、足の指が浮いてしまうことによる歩行効率の悪さが気にな ... ]]>

麻生睦美さん(仮名・66)は、腰椎圧迫骨折後のリハビリテーションを経て、現在は発症前の生活を少しずつ取り戻しつつあります。

【中高年・高齢者】介護保険を卒業し、RIZAPで自分の生活を取り戻す

現在は特に、階段の下りや歩行の際のふらつき、足の指が浮いてしまうことによる歩行効率の悪さが気になっています

こうした状態に対しても、ライザップが採用しているダイナミックストレッチ(今回は①ストレッチポール②高這いでのヒールドロップ②CAT&DOG)が日常生活に活きてきます。

ライザップ(RIZAP)の筋トレメニューが効果的である、あまり知られていない理由

本記事では、麻生さんの場合、ライザップで採用されているこれらのストレッチメニューをどう役立てることができるのか、解説します。

① ストレッチポール(上肢外転挙上):「歩行時の姿勢と呼吸」を改善

① ストレッチポール(上肢外転挙上)

目的:肩甲骨の可動域向上・胸郭の柔軟性向上・コアの安定化

方法

①ストレッチポールの上に仰向けになり、背骨がポールの上に沿うようにセットする。
②両膝を軽く立てて、足は肩幅程度に開く。
③両手を天井に向けて横から伸ばす。ゆっくりと上げ下げを反復する。
④深呼吸をしながら、肩甲骨の動きを意識する。
⑤10回ほど繰り返す。

効果:胸郭が開くことで呼吸が深くなる。コアの安定性が向上し肩甲骨・上肢の動きがスムーズになる。

日常生活での効果:
麻生さんは「一生懸命足を運んでもなかなか前に進まない」と感じていました。
その原因のひとつとして、上半身の可動性が低下し、歩行時に動きに連動できていない可能性があります。
ストレッチポールの上で腕を大きく外転(バンザイするように挙上)することで、胸が開き、肩甲骨の可動域が広がるため、歩く際に体幹が自然に回旋し腕を自然に振れるようにもなります。

また、胸郭が広がることで呼吸が深くなり、歩行時に息苦しさを感じにくくなります。
これにより、長時間歩く際の疲労感が軽減されるでしょう。

② 高這いでのヒールドロップエクササイズ:「階段下りの安定感」を向上

② 高這いでのヒールドロップエクササイズ

目的:足関節の柔軟性向上・ふくらはぎの筋肉活性化・コアの安定

方法
① 両手をついて膝を浮かせる。
②膝を伸ばしたまま、かかとをゆっくりと下げていく(ヒールドロップ)。
③かかとを床ギリギリまで下げたら、つま先で押し戻すようにかかとを上げる。
④これをゆっくりと繰り返し、10回ほど実施する。

効果:コアを意識しながら行うことで、安定した姿勢を維持しやすくなる。膝裏~ふくらはぎ、足首の可動域が広がる

日常生活での効果:
麻生さんが「階段の下りが怖い」と感じているのは、バランス能力の低下や足首の動きの硬さ、体幹~下肢の協調性低下も大きな原因と考えられます。
階段を下りるときには、つま先から接地し、かかとをスムーズに下ろす動作が必要ですが、とくに足首が硬いと、この動作がぎこちなくなります。

高這いでのヒールドロップを行うことで、足首の柔軟性が向上し、地面に足をしっかりつける感覚が得られるため、階段を下りる際の安定感が増します。
また、足の接地がスムーズになれば、歩行時の「一生懸命足を運んでもなかなか前に進まない」感覚も改善される可能性があります。


③ CAT & DOG(キャット&ドッグ):「歩行時のバランス感覚」を向上

③ CAT & DOG(キャット&ドッグ)

目的:脊柱の柔軟性向上・体幹の活性化・コアの意識向上

方法
①四つん這いの姿勢になる。
②(息を吸いながら)背中を反らせ、胸を開いて「ドッグ(犬)」のポーズを取る。
③(息を吐きながら)背中を丸め、視線をお腹に向けて「キャット(猫)」のポーズを取る。
④ゆっくりと繰り返し、10回ほど実施する。
※呼吸が止まりやすい動作なので、できれば( )内のように呼吸を付ける。難しければ数を数える、歌う、などで呼吸を止めない工夫をしましょう。

効果:コアの意識を高め、姿勢が安定する。脊柱の柔軟性が向上し、肺活量や動きのスムーズさが増す。

日常生活での効果:
「ふらつく」「バランスが悪い」という自覚がある麻生さんにとって、キャット&ドッグのエクササイズは非常に有効です。歩行時には、骨盤がスムーズに前後に動くことが重要ですが、加齢や腰痛の影響でこの動きが硬くなっている可能性があります。

キャット&ドッグを行うことで、骨盤と背骨の動きがスムーズになり、歩行時の体重移動が自然になります。さらに、コア(体幹)の意識を高めることで、歩行時に体幹の固定力によって体が左右にブレにくくなり、安定感が向上します。

麻生さんがこれらのストレッチを継続していくことで、「転倒しない」「安全に外出する」ための土台ができるだけでなく、最終的には「ヘルパーや訪問リハビリが不要な生活」に戻るきっかけになるでしょう。

麻生さんが今すぐ始められる日常のストレッチスケジュール

① ストレッチポール(上肢外転挙上)
→ 毎朝起きたときに1セット(10回)
→ ウォーキングや外出前に1回行い、胸を開いて深呼吸をする

② 高這いでのヒールドロップエクササイズ
→ 階段を下りる前に5回ずつ実施
→ ふくらはぎが疲れたときにストレッチ代わりに行う

③ CAT&DOG(キャット&ドッグ)
→ 寝る前に1セット(10回)行い、体幹を意識する
→ 外出前に3回だけ行い、骨盤の動きを確認する

いずれも、5~8分以内に収められるように設定しておくことが長続きのコツです。

麻生さんの最終的な目標:「誰の手も借りずに、自分の力で歩く」

これからもずっとヘルパーを頼らなければいけないのか?」と不安を感じた麻生さんにとって、「自分で歩ける力を取り戻す」ことが、介助からの完全な卒業につながる鍵でした。
ライザップで身に着けたこれらの知識とトレーニング習慣は、今後も麻生さんの日常生活の支えとなっていくことでしょう。

無料カウンセリング受付中/ライザップ]]>